「丹沢おろし」。年末から2月頃まで、山裾を這うように吹き下ろす身も縮む冷えた空気を運ぶ季節の風。昼夜の大きな温度差を呼び、その気候・風土が極上の芳醇な茶葉を育みます。日本の原風景が残る、丹沢・箱根山麓一帯の山間部を中心とした特徴的なお茶づくりが、喉と心も潤す「味と香り」の足柄茶となります。
「足柄茶」は品質基準となる全窒素量が多く、旨味成分のアミノ酸も豊富に含まれています。一方、渋み成分のタンニン、繊維質が少ないことで「味と香り」が際立ちます。
相模原市(旧津久井郡)、南足柄市、小田原市、秦野市、愛川町、山北町、松田町、湯河原町、真鶴町、開成町、中井町、清川村で生産され、厳しい品質管理の元、総称「足柄茶」として認定されています。
全国のお客様には、金太郎マークでお馴染となり、
「味と香り」の足柄茶としてご愛顧を賜っております。
昭和38年の「全国茶品評会一等賞」を皮切りに、朝日農業賞、農林水産大臣賞なども最多にわたり受賞。
近年では「全国茶品評会一等」の連続受賞、各品評会においても毎回上位入賞をはたしています。また、「かながわ名産100選」をはじめとし「かながわブランド」「本場の本物」の認定を頂きました。
「足柄茶」は地域団体商標に登録されています。
神奈川県内で栽培されているお茶の主な品種のご紹介です (品種登録年の早い品種からご紹介します)。
※に関しましては下段に説明を設けております。
明治末から大正にかけ、静岡県安倍郡有度村(静岡市)の杉山彦三郎によって従来品種より選抜育成された※中生種で、品種登録制度が発足した昭和28年に品種登録されました。
生育ははやい反面、病気に弱い一面があります。気候に対する適応性があり、全国の生産量の80%を占めている優良種です。品質は総合的に優れています。
独特の強い香りに優雅な滋味、そして甘みに富んでいます。
国立茶試(現(独)野菜茶業研究所)で宇治種の種子をまいて育てた中から選抜された中生種として、昭和28年に品種登録されました。
耐病性は中程度ですが、収穫量は少なめです。
品質は極めて優れ、別名「天然玉露」とも言われるほど光沢・味ともに良い品種です。
農林省栗鼠枕崎鼠場(現(独)野菜茶業研究所)で(♀やぶきた×♂静岡在来16号)の交配の中から選抜された品種で、昭和49年に品種登録されました。
やぶきた種より2~5目遅い※晩生種です。病害には中程度の強さで、収量は多いです。
色は濃緑色であり、香味は爽やかですっきりとしています。
昭和44年、農林省茶試枕崎市場(現(独)野菜茶業研究所)で(♀やぶきた×♂あさつゆ)の交配の中から選抜された品種です。やぶきた種より2~5目早い早生種として平成2年に品種登録されました。
耐寒性は強めですが、※早生種のため晩霜を受けやすいのが特徴です。
「走り新茶」にふさわしく、外観は色沢(しきたく)が明るい冴えた鮮緑色で、上品な芳香があります。渋みは少なく旨みがあります。
静岡県茶試で、やぶきた種の自然交配実生より選抜育生され、平成9年に品種登録されました。
一番茶の収穫はやや少なめですが、年間の収穫量は多いです。また、耐病性は中程度となっています。
色沢は黄緑色で軽やかな香気があり、渋みが少なく旨みがあります。
静岡茶試で(♀静7132×♂あさつゆ)の交配の中から選抜育生された品種です。平成15年に品種登録されました。
やぶきた種より2目ほど早い、やや早生種となっています。また、耐病性は強い品種です。
色沢がやや黄緑色で軽やかな香気があり、渋みが少なく、旨みがあります。
※中生種・・・茶の適採時期が早生(わせ)と晩生(おくて)の中間の品種。中生(なかて)のこと。
※晩生種・・・<やぶきた>を中とし、それより摘採時期が遅い品種のこと。
※早生種・・・<やぶきた>を中とし、それより摘採時期が早い品種のこと。
各産地で荒茶加工された生茶は、「神奈川県農協茶業センター」に一元集荷。製茶・ブレンドされ、農協関連、生協、地元スーパー、通販、直売所等で多元的に販売されています。
産地指定・計画生産への注力により、「高い栽培・加工技術による高品質で安定したお茶作り」と「独自の流通ルートによる消費者本位の販売」からなる一貫したシステムを構築。
この全国に例のない県下統一の「生産者団体による産地直売方式」により、生産者には高い利益を還元し、消費者の皆様には高品質で安心・安全な「味と香り」足柄茶のお届けを実現しました。
関東大震災の甚大な被害を受けた山村の産業復興策として、足柄上郡清水村(現足柄上郡山北町)に導入、幾多の苦難の末に産地化されたことが始まりとされています。
後、新農山漁村建設総合対策事業や農業構造改善事業等の施策が講じられ、先覚者の熱心な指導と優れた環境条件により生産が拡大、昭和40年代に入って県西北部、丹沢山麓を中心として一大茶産地が形成されました。